「良いデザイン」の条件とは何？

「良いデザイン」の条件とは何？

１.おしゃれ、スタイリッシュ＝いいデザインではない

どんな印象を打ち出したいかによって「良いデザイン」は変わってきます。つまり、スタイリッシュやシンプルにさえすれば常にいいデザインになる、というわけではないということです。

例えば、田舎風をコンセプトにした居酒屋の店舗をつくるとします。「おしゃれなカフェで見た、シンプルなコンクリート打ちっ放しの壁にしよう」　「SNSで見たガラスのテーブルがスタイリッシュですてきだったから採用しよう」。こんな感じで自分の中にある「おしゃれなデザイン」を思い出して、すてきな空間を創ろうとするケースがあります。

これらはおしゃれでかっこいいかもわかりませんが感じられる印象はどうでしょうか？コンクリート打ちっ放しは無機質で都会的なイメージ。ガラスのテーブルは、緊張感があり繊細で華美なイメージです。コンクリート打ちっ放しやガラステーブルが持つイメージは、田舎風の居酒屋に適したイメージでしょうか？

田舎風のイメージならば、ちょっと古びた感じや温かさといったイメージが適しています。そうであれば、コンクリートではなく、土の壁や古木を使った天井などが目的に合っています。ガラスのテーブルではなく、囲炉裏のようなテーブルにすれば、田舎の家を連想させられるでしょう。

どんなイメージを打ち出したいかによって「良いデザイン」は変わってきます。

しかし、「独自性が良いデザインだ」「やっぱり個性」といった見方もあり、これで成功しているケースもあります。例えば有名アーティストとのコラボや彼らがデザインしたなど。

これは有名アーティストの影響力が大きく、生活者が彼らがデザインしたのなら欲しいという思いで購入や利用するケースです。

2.目的のために最適かどうかを考えるのがデザイン

良いデザインを決める判断基準として、大切なのは「目的に合っているかどうか」です。
例えば、都会的でスタイリッシュでナチュラル派のシャンプー商品をつくりたいという目的があるとします。色は白黒にして都会感を強く出すか、もしくは茶系などの自然な印象を感じさせるカラーをベースにし、整頓されたシンプルな感じにするなどが考えられると思います。

もちろん具体的な色・形としてどのようなものを選ぶかは、挙げたものだけが候補ではなく、他にも多数の可能性が考えられます。このように「目的にとって最適かどうか？」を検討することが、良いデザインかを判断するために大切なことです。

3.「素敵な贈り物」も目的次第で変化する

日常生活の中でも、「目的に対して最適かどうか？」を考えることで、「あなたセンスが良いね」と思われるようになります。

例えば、結婚相手やお付き合いしている相手にプレゼントを贈ると想定します。相手が装飾的でヨーロッパ的なインテリアが好きな人と、シンプルでモダンな生活を好んでいて、自然素材ででた空間が好きな人だったらどうでしょうか？プレゼントするものも変わってくるでしょうし、カラーも変わってくると思います。

このように誰に対してどんな場面で選ぶのかによって、センスがいいものというのは変わってきます。

目的をしっかり考えてそれぞれの目的に対して最適な答えをつくる力があることがセンスが良いということです。